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クラゲのはなし

コンテンツ
クラゲ対策システム構築に向けた各種研究・実験
”クラゲ対策における新システムを開発!”

 近年、クラゲが各地で大量発生し、発電所の冷却取水に多大な影響を及ぼしています。このおもしろ講座でも以前から、いくつかのクラゲ対策についてお話ししてきましたが、今回はクラゲの流入防止、移送、減容処理まで一貫した画期的・効率的な新システム開発のための様々な研究・実験について紹介したいと思います。

(1)クラゲ流入防止システム
 従来から当社で研究・施工しているクラゲ流入防止網に、下部開口部からのクラゲの侵入を最小限にすることが可能なクラゲ流入調整網、及び網に付着したクラゲを排除するバブリング装置をプラスして、一つのシステムとしました。

  • クラゲ流入防止網
  • クラゲ流入防止網

    クラゲ流入防止網

    流入防止の様子

    確実にクラゲの流入を防止している

  • クラゲ流入削減システム(回流水槽実験)
  • クラゲ網通常の様子

    通常時(遮蔽率0%)

    クラゲ網閉塞の様子

    クラゲにより網が完全閉塞

  • クラゲ網自動巻き上げ・洗浄装置の実験
  • 自動巻き上げの様子

    自動巻き上げ装置

    網展張自動の様子

    自動で巻き上げると同時に洗浄、
    完了後、再度網の展張を自動で行える

  • バブリングによるクラゲの浮上と収集実験(擬似クラゲによる水槽実験)
  • クラゲ海面浮上の様子

    エアーによってクラゲを海面へ浮上

    クラゲ回収の様子

    収集スクリーンで効率的に回収
    (その後、ポンプで生きたまま移送)

(2)クラゲ移送ポンプシステム
 クラゲを生きたまま移送できるポンプを開発し、同時に海域からクラゲを回収・移送できる台船仕様、ピットから移送できるピット仕様をシステムとして開発しました。このシステムでは、クラゲを傷つけず生きたまま移送できるため、生態系にも、発電所冷却水取水への影響も最小限に出来ることが可能です。

  • くらげ移送確認試験(揚程:0,2,3m)
  • 移動ポンプユニット

    移送ポンプユニット

    吸込状況の確認

    吸込状況の確認

(3)クラゲ減容(ジェットバーナー)システム 本商品は取り扱いを終了しました。
 従来から、陸揚げされたクラゲは焼却するか、そのまま廃棄物として処理していました。しかし、焼却ではダイオキシン、廃棄物処理では処理場の問題があり、いずれの場合も処理費、人件費など多大な費用と労力を必要としていました。 このジェットバーナーによる減容処理は当初、汚泥の処理で開発されたシステムをクラゲ減容処理に応用、開発したもので、高温、高速のジェット流により、瞬時に乾燥処理ができ、クラゲでは95%の減容に成功しました。しかもバーナー温度は1500℃でダイオキシンの心配もありません。(汚泥処理も可能)。

  • クラゲ減容化試験
  • ジェットバーナータンク本体

    ジェットバーナータンク本体

    粉砕・乾燥後のクラゲ

    粉砕・乾燥後のクラゲ

 このようにクラゲ対策に関して、当社では長年研究を重ねてまいりました。
 より効率の良いシステムを開発し、最善のクラゲ対策を提案できるよう、今後とも一層の研究に励んでまいります。

多量のクラゲ来襲時にカナエはどうする?
”クラゲの大量発生にカナエは手をこまねいているだけなのか?”

 近年のクラゲ大量発生は、深刻な問題になっています。テレビ等でも特集があり、ご覧になった方もいるでしょう。多くの人が、それに対して様々な工夫を凝らしています。

海の様子

 この講座でもお話ししてきましたが、発電所にとってクラゲはやっかいものです。あまり大量に発生すると、冷却用の海水が吸い上げられなくなり、最悪の場合は発電をストップする事態も考えられますので、当社では、自慢のクラゲ流入防止網などでその流入量を減らす工夫をしています。

 でもクラゲを邪魔者扱いするのは人間の勝手な都合ですよね。
 海を自由に泳いでいるクラゲは、本当は悪くありません。
 出来れば安全な場所に、傷つけずに移動して欲しい。

そんな思いに応えるのが、クラゲ移送ポンプです。

●クラゲ移送ポンプ試験(平成12年実施)

 実験場内プールにクラゲ移送ポンプユニットを浮かべ、吐出側ホース及びセパレーターをユニックで一定の高さまで段階的に引き上げながらクラゲを吸引させ、セパレーターから吐出した時点でのクラゲの損傷程度を確認しました。

海の様子

 従来からあるポンプではクラゲを粉々にしてしまい、その後の処理に多くの問題を残していました。しかし最近の改良により、クラゲ移送ポンプは優しくソフトに(?)パワーアップしました。

 デリケートなクラゲを、傷つけず生きたまま移送可能となったのは、ポンプメーカーとの長年の共同研究による成果です。

発電所の取水口にはいろいろな物がやってくる!
”発電所内に侵入するのはクラゲだけじゃない”

 今年の夏も、まぁー色々な物が発電所の取水口に流れてきました。

 クラゲはもちろん、藻、ビニール、流木、そして竹竿なんて当たり前。ビックリするところだと、エイ、亀などが生きたまま上がってきます。(『亀は日本酒を飲ませて海に帰す』 という昔からの言い伝えがあるとか!?)

 穴子、甲イカ、スズキ、黒鯛、蛸、渡ガニなども上がるそうで、食べると美味しそうですね!迷惑な来訪者の例としては、洋服屋さんにあるマネキン人形、ホイール付タイヤ、発泡スチロール・・・。

 7月7日の2、3日後に、七夕祭りで使用したと思われる笹や竹竿が何千本と流れて来た時も本当に驚きました。

 クラゲ流入防止網はクラゲだけでなく、さまざまな物の流入を防止しているのです。

浮遊物流入防止のイメージ
●ゴミなどの進入を防止するために・・・

 当社では様々な取水口形状における、用途にあった対策を確立しております。

→ 詳しくは製品紹介(クラゲ流入防止網設置工事)
発電所の取水口にやってくる第二の敵!(続編)
”発電に支障を来す悪いヤツ”

『クラゲ』以外にも発電所の取水口には様々な生物が棲息していますが、前回同様今回もムラサキイガイ、ミドリイガイを紹介します。

これらの生物はクラゲ防止網だけでなく護岸壁、取水口カーテンウォール部壁面、取水路に付着します。特に取水路内では貝付着により予定量の海水を取水出来なくなり、発電を妨げます。

管内付着の様子
●海棲生物付着試験

 ミドリイガイ、ムラサキイガイは柔軟性のあるクラゲ防止網だけでなく、岸壁などの工構築物の潮間帯にも付着群生します。  当社では、海域調査及びニーズに答える商品の開発のために、予め、コンクリート壁面に防汚塗装を行い、塗装を行っていない場所との比較をし、付着状況の検査を行いました。

管内付着の3年経過様子

 季節や場所によって付着生物は多種多様ですが、いったん付着した生物を取り除くのは非常に困難であり、事前に付着を防止する対策が必要です。

●付着を防止するために・・・

当社では塗料タイプ、ライニングタイプなど用途にあった方法での対策を確立しております。

→ 詳しくは製品紹介(海棲生物付着防止工事)
発電所の取水口にやってくる第二の敵!
”発電に支障を来す悪いヤツ”

 『クラゲ』以外にも発電所の取水口には様々な生物が棲息していますが、今回はムラサキイガイ、ミドリイガイを紹介します。  これらの生物は当社の「クラゲ流入防止システム」を設置する取水口カーテンウォール部壁面に付着し、発電に必要な取水を妨げます。 貼り付く場所をわきまえてもらいたいですね。

●海棲生物付着試験(平成10年実施)

 ミドリイガイ、ムラサキイガイは海岸のテトラポットなどの人工構築物の潮間帯に付着群生している二枚貝であり、日本の各地 でみられています。
 当社では、海域調査のために、ポリエチレン製の網を海中に投入し、付着状況の試験を行いました。

【 海中投入前 】

生物付着の様子投入前

ポリエチレン製の網
50cm×50cm

【 ムラサキイガイ 】

生物付着の様子2週間後

2週間後
( 8月引き上げ )

【 ミドリイガイ 】

生物付着の様子1ヶ月後

1ヶ月後
( 9月引き上げ )

【 ミドリイガイ 】

生物付着の様子網部詳細

網部 拡大写真

 季節や場所によって付着生物は多種多様ですが、いったん付着した生物を取り除くのは非常に困難であり、事前に付着を防止する対策が必要です。

●付着を防止するために・・・

 当社では塗料タイプ、ライニングタイプなど用途にあった方法での対策を確立しております。

→ 詳しくは製品紹介(海棲生物付着防止工事)
発電所の取水口にやってくる クラゲ

前回の「クラゲ流入防止システムが必要な理由」で報じたように、発電所では電気を作るために海水を引き込んでいます。しかし、どうしてもその海水中にクラゲが入り込んでしまい困っています。そこで当社の「クラゲ流入防止システム」が必要になってくるのですが、今回はクラゲと共存するために「まず相手を知れ!!」ということでクラゲについて勉強したいと思います。

●クラゲの成長過程(ミズクラゲ)

プラヌラの画像
①プラヌラ
(直径約0.3mm)

 大人の雌クラゲ(傘径20cm)の育房の中で、受精卵はプラヌラと呼ばれる幼生として生まれる。発生したプラヌラは原口と原腸をもち、体を覆う繊毛をつかって雌クラゲの体内から泳ぎ出る。

ポリプの画像
②ポリプ
(直径約1.5mm)

 外界に泳ぎ出たプラヌラは、早くて数時間、遅くても5日で岩や海草などに付着し、やがて体の上部に口を開き、4本の触手が生え、やがてポリプとなる。触手はその後も増え続け4日で8本、1週間で12本、2週間で16本にもなる。

ストロビラの画像
③ストロビラ
(直径約2.25mm)

 乳白色のポリプは薄紅色に変化し、触手のすぐ下にくびれができ、そのくびれは足盤の方に向かって数を増していき、ストロビラとなる。くびれの数は、個体、季節によってまちまちだが、多くても10個程度である。くびれのできたストロビラの触手は消失する。

エフィラの画像
④エフィラ
(直径約2mm)

 触手の消失したストロビラの皿のへりには、ひらひらのフリルのような縁弁ができあがる。縁弁は拍動しつづけ、間もなく先の方から1枚ずつ剥がれ、エフィラとなる。

若クラゲの画像
⑤若クラゲ
(傘径約6cm)

 それぞれのエフィラは自由に海中を泳ぎまわりながら、口腕と傘を発達させ、大人のクラゲの形へと変化していく。傘径6cmくらいになると、もうどこから見ても立派なミズクラゲの形に成長する。

●発電所の取水口に現れる主なクラゲ

ミズクラゲの画像

ミズクラゲ
学名 Aurelia aurita
 4つの丸い形をした生殖巣が、目のように見えることから「よつめくらげ」とも呼ばれます。毒は弱く、さされても痛くありませんが、大量に発生して火力発電所の冷却水取り入れ口をつまらせて、停電を引き起こす原因となるクラゲの6割以上がこのクラゲです。世界中広範囲の海にすみ、日本では春から夏にかけてよく見られます。

ミズクラゲの画像

アカクラゲ
学名 Chrysaora melanaster
 毒は強く、触手に触れると痛みを感じます。また、触手がかわいて粉なったものが鼻に入ると、くしゃみが止まらなくなることもあります。発電所を困らせるクラゲとしてはミズクラゲの次に多く、ほぼこの2種類のクラゲで占めています。初夏にかけてよく見られます。

→ 詳しくは製品紹介(クラゲ流入防止網設置工事)
クラゲ流入防止システムが必要な理由
“クラゲは悪くありません”

 電気は私達の生活全般になくてはならないものとなっています。この電気を作る方法として、火力(55%)・原子力(35%)・水力・地熱・風力……とありますが、そのおよそ90%を占める火力・原子力では発電機を廻すタービンを蒸気の力で廻しています。

発電イメージ図

 タービンを廻した蒸気は冷却して繰り返し使用しています。この蒸気を冷やす冷却水は100万kwあたり1時間に約25万トンにもなります。
 この冷却水として海水を利用していますが、海の中にはいろいろな物や生き物がいます。(これがくせもの)

冷却水イメージ図

 春から初夏。季節はめぐって海の中の生き物たちも大活躍。クラゲの卵はプラヌラとなりポリプに変化しストロビラとなり、クラゲの赤ちゃんエフィラとなります。このあたりはとってもかわいい!
 ところが…夏真っ盛り、クラゲは大きく育って海の中で大集会をひらきます。

●へらへらと取水口に流れ込むクラゲ。発電所はどうなる?

取水口のイメージ図

 クラゲ達が大集合をひらくのはクラゲの自由です。私達にとっても全然問題はありません。ところが風のせいか、潮流のせいか、クラゲの考えか、発電所の前で集会があると一大事!  発電所では海中に漂うゴミなどを取り除く最新の設備が備えてありますが、クラゲに対しては1トン(ドラム缶5本分)の海水中に7~8匹までなら問題はありません。これが30~40匹となると冷却水が滞り発電ができなくなります。クラゲは悪くありませんが、私達には冷却水が必要です。

●そこでバーンと、これがカナエの対抗策だ!!

クラゲ流入防止システム

クラゲ流入防止システムのイメージ図

 

 カナエのクラゲ流入防止システムは、大量のクラゲを一度受け止め(ピークカット)少しずつ流入させながら(冷却水の確保)、そのまま海に帰っていただく(移送ポンプ)はたらきをするものです。

→ 詳しくは製品紹介(クラゲ流入防止網設置工事)