臨海施設の安定稼働のために
クラゲ対策・浮遊物流入防止の技術
海と共存するチカラ
全国各地の沿岸に存在する火力発電所、原子力発電所や臨海プラントでは、大量の海水を取水して冷却水として利用しています。

この際、海水とともにクラゲ、ゴミや流木などの浮遊物も取り込まれてしまいます。取り込まれたクラゲや浮遊物は少量であれば除塵装置により除去することはできますが、装置の能力以上に大量に押し寄せた場合{もしくは流入した場合}は、除塵装置などの取水口付近の設備に負荷をかけたり、損傷を与えたりなど安定稼働ができなくなってしまいます。
また場合によっては、発電に必要な冷却水の確保が困難となり、取水制限が行われ発電できなくなる恐れもあります。
当社では、このような問題を解決するため、クラゲ流入防止網を開発しました。
開発の歴史
1961年 |
クラゲ流入防止網を開発し、火力発電所において日本で初めて設置工事を行う。その後、全国各地の火力発電所において採用され設置。 |
1970年代 |
原子力発電所においても採用され、複数のクラゲ防止網設置工事を設計・施工。 |
1980年代 |
顧客のニーズに合わせた各発電所へ適応した仕様(流入状況、要望など)を取り入れ数多くの実績を重ねる。 |
1998年 |
クラゲの大量来襲より、網が全面閉塞した場合でも取水できるように設けた網下開口部用開閉網を開発 |
2003年 |
クラゲ回収システムを開発。 |
2011年 |
取水口周辺の海底地形・取水口の位置・取水量などの情報をもとに、数値解析を用いて海水の流れを三次元的にシミュレーションし、最適なクラゲ流入防止網の設計方法を提案 |
クラゲ流入防止網の役割
- 直接流入の防止(クラゲ・ゴミ・流木)
- 取水口への流入量の削減(自然潮流利用)
- 除塵装置負荷のピークカット

設置方式
桟橋式

取水口護岸部(桟橋、カーテンウォール、点検用歩廊)から海底に向けて網を設置する方式です。網の上部は護岸部と固定し、網の下部は海底に設置したブロックや杭と固定します。陸上からの展張が可能な構造です。
ブイ式

海上に浮かべたブイから海底に向けて網を設置する方式です。主に沖合に設置する場合や網の上部を護岸部に固定できない場合に有効です。